芯智訊によると、投稿でJukan氏は、調査会社SemiAnalysisの統計を引用して、TSMC Fab 21のウェハーコストは1枚当たり1万6123米ドルで、台湾南部サイエンスパークの主力拠点であるFab 18nの6681米ドルより141%高いと指摘。また、1枚当たりのコスト構造について、Fab 21では原材料コストが3040米ドル、人件費が3600米ドルで、いずれもFab 18の約2倍だとした他、減価償却費は7289米ドルで、台湾工場(1500米ドル)の約5倍にも上るとした。その上で、アリゾナFab 21の1枚当たり売上総利益が1377米ドル、売上総利益率が8%にとどまるのに対し、台湾Fab 18は売上総利益率が62%の高水準だと強調した。
Jukan氏はFab 21の業績について、24年第4四半期(10〜12月)に4nm(ナノメートル)プロセスの量産を開始し、操業後まもなく単体ベースで黒字化し、25年第1四半期(1〜3月)には約4億9600万NTドル(1NTドル=約5円)の利益を実現したが、TSMC本社に計上される投資損益は依然赤字だったと紹介。その後、25年第2四半期(4〜6月)には純利益が約42億3200万NTドルに拡大し、初めて本社に投資利益をもたらしたものの、同第3四半期(7〜9月)の営業利益は4100万NTドルまで急減し、前期比で約99%減だったとした。
Jukan氏は、Fab 21の営業利益が25年第3四半期、大幅に減少した要因について、(1)25年9月中旬に発生した停電事故による損失、(2)第2期3nm工場建設の前倒しによる設備投資・運営費用の急増及び建設段階での多額の減価償却負担、(3)サプライチェーン及び労働コストの上昇の3つを挙げた。ただそれでも、米国政府や米国系顧客が求めるサプライチェーン安全保障への対応や、将来的な半導体関税への備えを背景に、TSMCは高コストを承知の上で米国での生産能力拡大を加速していると指摘。アリゾナ工場は、短期的には同社全体の売上総利益率を押し下げる要因となるものの、戦略的判断として投資を継続する姿勢を示していると評した。
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